<supplementary-material>

Supplementary Material Metadata (補助資料メタデータ)

記事を補足するが、記事の中身の一部ではない部分を説明する、あるいは外部資源の位置を示すコンテナ要素。

備考

補足資料の定義: 補足資料は、記事に、詳細な説明、背景、または文脈を追加するもので、たとえば、オーディオクリップやアプレットなどのマルチメディア・オブジェクトがその例です。その他の XML タグ付きセクション、表や図。スプレッドシート内の生データ、またはリポジトリ内のソフトウェアアプリケーションなどもあります。補足資料には、以下のようなリソースが含まれています。
  • 非常に量の多い素材 (ゲノムデータベースや、それらのデータセットの重要部分をまとめた説明のための複数のデータセットなど)。これらは記事の叙述の結論を支持するものであるが、非常に大量のため、記事に付属することはありえない。
  • 記事中では表示されないが、記事の元になっている「追加の」表。これらは査読者が記事の内容を確認するために必要な場合があります。
  • 記事を充実させるために追加される、クイズ、教育用ビデオ、記事中で説明されている 3 分批評、静止画像、記入あるいは複製できる様式、その他の素材。
  • 記事の内容の直接の一部ではない、動画、MP3 ファイル、その他のバイナリ素材。
  • 記事の体裁や容量の都合で記事に含めることができなかった残りの図。
冊子体で完全に表現できないオブジェクト (動画、音声ファイル、アニメーションなど) は、自動的に補助資料と見なされるべきではありません。記事を理解するためにそのオブジェクトが必要な場合 (つまり、後述する NISO RP-15-2013 で定義されているように、オブジェクトが「一体」である場合)、それらは <media> 要素を用いてテキストの適切な場所にタグを付けします。
補助資料要素の内容: <supplementary-material> 要素には、オブジェクトが XML で表現されていても補助資料オブジェクトは含まれません。補助資料オブジェクトは、XML 記事の一部ではなく、XML 記事の外部にあります。<supplementary-material> 要素にはオブジェクトの説明が含まれています。さらにオブジェクトの位置指定が含まれていますが、これは必須ではありません。たとえば、補助資料オブジェクトが追加の画像である場合、その画像は補足資料内に記述されているが、そこには保持されていません。<graphic> 要素は、<supplementary-material> の中で使うことができますが、この要素は、オブジェクトの説明であり、オブジェクトを保持するものではありません。たとえば、<supplementary-material> 要素は、アニメーションの最初のフレーム (<graphic> 要素としてタグ付けされます) を含む説明や、完全なアニメーションが存在する外部ファイルへの相互参照を含むことができます。
使用法: 要素は 2 つの場合に用いられます。
  • 記事メタデータ (<article-meta>) 内で補助資料の存在を示し、記事からその資料にアクセスができることを知らせるため。
  • テキストの叙述的な流れの一部として。この場合は、キャプションを取ることができ、浮動または固定されたオブジェクトとして配置することができるという点で、<fig> に似ています。
    この使用法では、@position 属性は、この要素をテキスト内の正確な位置に固定する必要があるかどうか、または、たとえば次のページの先頭、次の段の最後、ファイルの最後、あるいは別ウィンドウまで浮動できるかどうかを示すために使用できます。
種別の指定: @mimetype 属性は、<supplementary-material> 要素のファイル種別を識別するために使用できます。
NISO 補足資料の推奨基準との関係: NISO RP-15-2013 オンラインジャーナル記事補足資料の推奨基準勧告 (http://www.niso.org/apps/group_public/download.php/10055/RP-15-2013_Supplemental_Materials.pdf) と NISO JATS は、記事を構成する「付加的」および「一体的」な資料についての考え方が同一です。ただし、「一体的」であるか、「追加的」であるかについては、わずかに異なっています。
NISO JATS およひ NISO RP-15-2013 の共通の定義では:
  • 一体的コンテンツ は、「そのジャーナル分野の一般的な科学者や読者が、その研究内容を完全に理解するために不可欠な、素材である。」
  • 付加的コンテンツ は、「テキスト、表、図、マルチメディア、またはデータの形で、記事に対して追加的で、関連性があり、および有用な拡張であり、その研究をより詳細に、かつ文脈的に深く理解するのに役立つ。しかし「付加的コンテンツ」は、記事の理解に不可欠ではない。」
相違点は次の通りです。NISO RP-15-2013 の場合、「一体的」とは, 記事の一部であってもよく、また記事の補助資料の一部であってもよいとしています。NISO RP-15-2013 に先立つ NISO JATS では、すべての「一体的」素材は、元の記事の一部 (<article> 要素内) である必要があり、全ての補助資料は記事の外部である必要があります。
他のジャーナルタグセットとの関係: <supplementary-material> 要素は、いくつかの XML タグセットの <audiovisual> 要素と、あるいは他のタグセットの <unprinted-item> 要素 (電子ファイルにのみ使用される) と同様の機能を持っています。

関連要素

このスイートには、<graphic><inline-graphic><media><supplementary-material><inline-supplementary-material> などの画像素材を記述し指す要素がいくつか含まれています。要素 <graphic> および <inline-graphic> には、文書の切り離せない一部である静止画像 (写真、図形、線画など) へのポインタが含まれています。要素 <media> には、ドキュメントコンテンツの一部である非 XML 素材 (動画、音声クリップ、データセット、その他の非 XML 形式) へのポインタが含まれます。ここで「切り離せない」という意味は、これらメディア・オブジェクトが文書の中で議論され (あるいは実際に表示され) るからであり、これらメディア・オブジェクトは文書の一部であるといえます。
一方、要素 <supplementary-material><inline-supplementary-material> は、文書に附属する補足的な (切り離しが可能な) XML 素材 (図、表、セクションなど) や非 XML 素材 (画像、フィルム、音声クリップ、データセット、その他) を記述します<graphic><inline-graphic>、および <media> と同様に、補助資料要素は、図のような XML オブジェクトであっても、オブジェクトそれ自体を含むことは決してなく、それらをポイントするだけです。
<inline-supplementary-material> 要素は、テキストの通常の流れの中で言及され、プレビュー画像または別個のキャプションを持たない追加資料への参照を記述するために使用されます。<supplementary-material> 要素は、より複雑な参照を記述するために使用されます。たとえば、図と同様に、浮動または固定されたオブジェクトとして指定できたり、キャプションを持ったり、オブジェクトの説明のために画像や表を用いる場合です。

属性

コンテンツ・モデル

<!ELEMENT  supplementary-material
                        %supplementary-material-model;               >

拡張コンテンツ・モデル

((object-id)*, label?, (caption)?, (abstract)*, (kwd-group)*, (alt-text | long-desc | email | ext-link | uri)*, (disp-formula | disp-formula-group | chem-struct-wrap | disp-quote | speech | statement | verse-group | table-wrap | p | def-list | list | alternatives | array | code | graphic | media | preformat)*, (attrib | permissions)*)

記述方法

この要素は以下の要素内に含むことができます:

用例 1

記事メタデータの中で、補助的資料を指定:
...
<article-meta>...
<contrib-group>
<contrib contrib-type="author">
<collab collab-type="committee">Accredited Standards Committee S3, 
Bioacoustics</collab>
</contrib>
</contrib-group>...
<fpage seq="1">1</fpage>
<lpage>44</lpage>
<supplementary-material mime-subtype="zip" mimetype="application"
xlink:href="ASASTD.ANSI.ASA.S3.50.supplementary-material.zip"/>
...</article-meta>
...

用例 2

叙述テキストの中で、表示用キャプションとともに:
<article dtd-version="1.1">
<front>...</front>
<body>
<p>...</p>...
<supplementary-material id="S1" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink"
xlink:title="local_file" xlink:href="1471-2105-1-1-s1.pdf"
mimetype="application/pdf">
<label>Additional material</label>
<caption>
<p>Supplementary PDF file supplied by authors.</p>
</caption>
</supplementary-material>
<p>RNAPs seem to have arisen twice in evolution
(see the <inline-supplementary-material
xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink"
xlink:title="local_file" xlink:href="timeline">
Timeline</inline-supplementary-material>). A large
family of multisubunit RNAPs includes bacterial
enzymes, archeal enzymes, eukaryotic nuclear RNAPs,
plastid-encoded chloroplast RNAPs, and RNAPs from
some eukaryotic viruses. ...</p>
...</body>
<back>...</back>
</article>